2019年02月28日 23時21分

最初の一歩

竹田 毬恵

K.M.ワイランド、シカ・マッケンジー 「アウトラインから書く小説再入門」

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今までアイデアに頼って、脳内プロットすらきちんと組み立てずに書きはじめて、行き当たりばったりで創作活動をしてきたが、この本を読んで改めてプロットの大事さというか、物事を進める際に計画を立てることの重要さを痛感した。これまで本格的に小説を書こうと思ったことはなく、生業にしようとも、できるとも思っていないので、あくまで趣味の範囲の創作活動の「お勉強」をしたくないと、型にはまった方法論とか小説執筆のハウツー本とかを避けてきた私だが、この本を読んでこれからはアウトラインやプロットを作り上げてから執筆の作業に入るようにしたいと、切実に思った。アウトラインを立てることで、自分が書こうとしている物語全体を見渡すことができるようになり、物語の緩急や伏線、作中の時間の流れなどを確認することができるようになる。結果、説得力のある読みやすい物語を書けるようになる。素晴らしい。利点しかない。アイデアを早く形にしたくて、気持ちが先走って執筆作業から入りがちだが、この本によれば創作活動は急がば回れの精神で、アウトラインを組み立ててプロットを練ってから書き始めた方が、最終的には創作期間も短くなり完成度も高くなるという。これはもしかしたら、小説だけではなく、大学の授業のレポートや就活のESにも活かせる技術かもしれない。ちゃんと文章化する前に、自分が伝えたいことの要点を整理して、相手に伝わりやすいきちんと筋道が通った順番に並び替えて文章化する。こんな手順で書けば、きっともっと洗練されたわかりやすい文章が書けるようになるはず。レポートの提出期限が近いからといって、とりあえず文字数を埋めようと一目散に執筆作業に入ってはいけないのだ。まずは伝えたいことや自分の主張の要点を整理して、その主張を支える参考文献を探し出し、論理的にわかりやすい順番で論を展開していく。これは書こうとする文章の文字数が多くなればなるほど効果的な方法なので、ゼミ論を書く時も是非とも参考にしたい一冊だ。アウトラインを組み立てたりプロットを練る時間をケチらないように、心に余裕を持って執筆活動に取り組みたい。執筆活動に入る前に、まずプロットやアウトラインを作ることの重要さを実感できた。これからの趣味の創作活動や学業にも活かせそうで、学ぶことの多い本だった。