「死ぬまでに行きたいところ」旅行好きであれば一度はそんなリストを作ったことがあるだろう。壮大な絶景、異国の街並み、とんでもない秘境。行けそうもない場所でも、憧れてリストアップするだけならいくらでもできる。しかし実際行くのは、そのうちのいくつであろうか。
『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』シリーズは、著者が「死にそうになった」ことをきっかけに行きたい場所の写真をSNSにアップし始めたことから始まったという。しかしこの本では、手軽に行ける日本の絶景に焦点が当てられ、「47都道府県すべての方に『明日行ける絶景』を届けられるよう、選りすぐりの景色を選抜しました。」とのことである(「まえがき」より)。実際に本の中でも、絶景の写真のみならず、アクセスや見ごろの時期、旅行のモデルプランまで書かれている。読者にとっても遠い未来、「死ぬまでに行きたい絶景」というよりは「来週末に行ける絶景」である。
それゆえに、単純に写真を見たいという人のみならず、「今度の旅行先を探している」人にもおすすめしたい一冊だ。王道から秘境まで、47都道府県それぞれの絶景スポットの美しい写真が掲載されている。ぱらぱらとこの本をめくってみて、目についた絶景を見に行くために旅行の計画を立てる…というのもとても楽しそうである。
私自身、そうしようと思ってこの本を買った。しかし実際に絶景に行ったのかというと、どこにも行っていない。写真が美しすぎて、肉眼で見たらそうでもないのでは、なんてインドア派のひねくれた考えをしてしまう。花や「死ぬまでに行きたいところ」旅行好きであれば一度はそんなリストを作ったことがあるだろう。壮大な絶景、異国の街並み、とんでもない秘境。行けそうもない場所でも、憧れてリストアップするだけならいくらでもできる。しかし実際行くのは、そのうちのいくつであろうか。
『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』シリーズは、著者が「死にそうになった」ことをきっかけに行きたい場所の写真をSNSにアップし始めたことから始まったという。しかしこの本では、手軽に行ける日本の絶景に焦点が当てられ、「47都道府県すべての方に『明日行ける絶景』を届けられるよう、選りすぐりの景色を選抜しました。」とのことである(「まえがき」より)。実際に本の中でも、絶景の写真のみならず、アクセスや見ごろの時期、旅行のモデルプランまで書かれている。読者にとっても遠い未来、「死ぬまでに行きたい絶景」というよりは「来週末に行ける絶景」である。
それゆえに、単純に写真を見たいという人のみならず、「今度の旅行先を探している」人にもおすすめしたい一冊だ。王道から秘境まで、47都道府県それぞれの絶景スポットの美しい写真が掲載されている。ぱらぱらとこの本をめくってみて、目についた絶景を見に行くために旅行の計画を立てる…というのもとても楽しそうである。
私自身、そうしようと思ってこの本を買った。しかし実際に絶景に行ったのかというと、どこにも行っていない。写真が美しすぎて、肉眼で見たらそうでもないのでは、なんてインドア派のひねくれた考えをしてしまう。花や紅葉など季節のものが多く、目にすることが容易でない絶景がいくつもある。絶景であるぶん交通の便が悪く、「車で50分」などというものも少なくない。タクシーは高いし、レンタカーも私などのペーパードライバーには難しい。
そんな壁に邪魔をされて、この本の絶景は私にとって「いつか行きたい」の域を出ていない。この本で魅力的に感じた絶景、丁寧な解説から行けそうだとわかった絶景も、「行ってみたい」というゆるい願望にリストアップしたまま、私はいつか死んでしまうのだろう。
しかし私がこの本の書評をするにあたって主張したいことは、「死ぬまでに行きたい」とか「明日行ける」とか謳っていても結局行けないよね~、なんてことではない。私がこの本を読んで思ったことは、この日本という国のなかでも「絶景はいくらでもある」ということである。
この本には全国各地の絶景が紹介されているが、それ以外でも絶景は数限りなくある。そして私たちは、休みと軍資金さえあれば絶景を求めて旅することができる。なんなら、適当に旅行に行って、いい感じの写真を撮影すれば、それが「絶景」になるのではないかとすら、思ってしまう。決してこの本の写真が誰でも撮れそうというわけではない。自分で別の場所に行ったとしても、自分が素敵だと思う景色に出会えるのではないか、という期待感を持たせてくれるのである。私自身も私がこの本を読んで、この本の絶景を見に行こうという計画を立てるには至らなかった。しかし、まだ私が見たことのない景色を見に行きたい、という気持ちがかきたてられ、私は別の一人旅の計画を立て始めた。
各地の絶景と、それをいい感じに写した写真と、実際にそこに行くための解説がこの本には掲載されている。いくつかの絶景と、それは実際に明日にでも、譲って来週末にでも、行くことができるという事実を提示したうえで、
あなたはどこに行きたいと思うか?
死ぬまでの間に、どこに行くのか?
ということを問いかけてくるのが、この『死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編』である。